A級戦犯って最も罪の重い人ではない

仕事や遊びでもうまくいかなかった結果の責任を、たわむれになすり付ける時に、”奴がA級戦犯だ”とかの表現を聞く。責任を取るべき人の中で最も重い、という意味で。マスコミもこぞって使うが、これも戦後の占領国アメリカのGHQの策謀。
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ことは1946年から1948年にかけて行われた東京裁判(極東軍事裁判)にさかのぼる。そう、ドイツを断罪したニュルンベルク裁判と並ぶ、戦勝国による不当な二大裁判である。
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先に行われたニュルンベルク裁判でナチスドイツを裁くために、それまではそんな罪など存在しなかった「平和に対する罪」などというものを、戦勝国がねつ造したことから始まる。それまでの軍事裁判では、捕虜の虐待や無辜の民の虐殺という視点であったものが、戦勝国の都合で、「人道に対する罪」とともに登場。法廷による法の創造と言われる。

しかしそれにおいても、「平和に対する罪」は犯罪項目としてa項「通例の戦争犯罪」をb項「人道に対する罪」をc項と分類し、級という分類ではなかった。

結果として東京裁判では25人全員が有罪となり、7人が死刑(宣告:death by hanging)となるのであるが、a項b項併合が9名、b項のみは1名ということで、ほとんどが「戦争の計画、準備、開始、遂行」というかつて国際社会では当たり前に行われてきた国益のための施策が、一方的に断ぜられたのである。
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東京裁判では心あるパール判事(インド)のように、かかる裁判の無効、全員の無罪を主張する意見もある中、GHQは、ことを隠ぺいしようと、戦争指導者をA級、虐殺指示者をB級、虐殺実行者をC級と読み替え、意図的に流したものである。これら策謀に乗せられ、最も重い責任がある人をもってA級戦犯などと言ってはいけない。A級グルメ、B級グルメも本当は・・・いけない。

因みに東京裁判が有名であるが、日本に対するかような軍事裁判はシンガポールほか49法廷で行われており、先の a項7名を含む1,068名が処刑されている。