ヒトの体の不思議、三年で総入れ替え編

今の自分の体、少なくとも三年前の部品はひとつもないすべてが入れ替わっている。
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ヒトを形成する60兆個という細胞は常にリサイクルを繰り替えしており、部位ごとにリサイクル期間は異なるが、三年以内にすべての細胞が入れ替わるという。
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物質としての自分は三年前とは別モノかと思うと少し気味が悪いが、分子生物学での常識らしい。小腸の粘膜の絨毛細胞はたった1日、皮膚は1ヶ月、赤血球は4ヶ月、筋肉は1年、骨でさえ2~3年で入れ替わるという。

例外的(?)に入れ替わらないのが脳細胞。これは死んだら再生しない、ただ減りゆくのみ。では残った細胞は生まれた時からのモノかというとそうではない。
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細胞としては居続けるが、その中身のアミノ酸は1年ですべてが入れ替わる。脳細胞だけが再生せず、ただ減りゆくのみという設定は、種が生き続けるために必要なシステムらしいが、生身のこちらとしてはありがたくない。脳梗塞や脳出血で死滅した細胞が再生しないことによる個体としての大変さはご承知の通りである。

しかしながら、細胞が普通に死滅して減っていくことは心配しなくともいいらしい。ヒトの脳細胞は150億個といわれ、25歳を過ぎたころから血行不良などにより、毎日11万個が死滅していくのだそうだが、この減少ペースでいっても128歳でまだ100億個が残るので、まず心配はいらない。100億個というのは数的にはチンパンジーの2倍に過ぎないが、その記憶容量や精度において格段の差があるらしい。脳の重さでいうとヒトは1300g、チンパンジーは400g、ネコは30g。
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細胞リサイクルに話を戻すと、細胞の入れ替えにはそれを支えるエネルギーとしてアミノ酸が不可欠で、タンパク質として摂取するアミノ酸はできれば一日当たりに摂取するタンパク質の内、50%は動物性タンパク質であることが望ましい。
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タンパク質の過剰摂取による尿酸の増加は痛風をもたらすことから、過敏になっている人も多いが(ビールの代わりに焼酎にしたり)、尿酸には酸化防止効果があり、老化やガン化を予防しているといわれ、人類が他の哺乳類より長生きなのは、尿酸のレベルが高いため、とも言われている。実際、政財界のやたら元気な老人たちを見ていると、さもありなんと思う。
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