鳥インフルエンザが教えるもの

エボラ出血熱やデング熱の騒ぎでやや劣勢?の鳥インフルエンザだけど、生物学会の人たちから言わせれば、これはこれで大変なことらしい。
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生物には、種の壁というものがあって、その壁を越えての生殖は自然界では成立しないものであり、同時に病原体もその壁を越えることは出来ないとされてきた。
鳥インフルエンザはそのルールを破っており、何故にそんなことが起こるか分からないから恐ろしい。逆に言うと、種の壁の内側では様々な病原体が移動できる故、病原体に侵された同じ種を食べることはその危険を冒すことなのである。

だから古来より、道徳観念とは別の意味で人肉食い(カニバリズム)はタブーとされてきたし、人肉食いの風習の残る部族間でクールー病のような原因解明が遅れた病があったようである。

人為的にライオンとトラを掛け合わせ、ライガーのような動物は怪しからん創造物だが、これも同一種だからできること。この代限りで次世代は残せないらしいが。
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思い起こせば狂牛病のような病気も、飼育の効率性のためなんだろうが、牛に同じ仲間の肉骨粉を混ぜて与えた結果、あんなことになったかと人類の驕り、暴挙に対する天の警鐘のような気がしてならない。
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鳥インフルエンザに関して言えば、濾過性病原体というものが悪さをすることは分かっているらしいが、その大きさというのがウィルスの1000分の1で、これがどれくらい小さいかというと生物の細胞をこぶし大とすると、細菌は米粒大で、ウィルスは鉛筆の点くらいだから、電子顕微鏡でも見えるのだろうか。

いずれにしても、人間の利便性や欲得のために他の生物をいじったり、遺伝子操作で野菜を多く作るとか、”医学のため”のようなとってつけたような大義があったとしてもやっていいことと、悪いこと、あるよな。