人間ドックで便潜血反応が初めて出てしまい、いわゆる大腸カメラによる再検査を勧められたが、往生際の悪い私は何とか避ける方法として、懇意にしている医師に相談したところ、「それではもう一回、潜血反応の検査をしてみますか」の声に縋った。・・・のだがやはり陽性。しかもこの医師、他人事だと思って「じゃあ胃カメラも一緒にやりましょう、同日にやってくれる病院を紹介しますから」とのたまう。
家人もうるさく言うので、仕方なく猛暑の七夕の午後とある病院で実施した。プロセスを記録する。
検査前日の昼食から、それは始まる。
病院で渡された、昼食時の摂取物。ゼリー1袋とウェハース2包。まずくはないが、これだけ。
夕食時、これまた病院で渡された(昼食用と合わせて1,000円也)摂取物。おかゆ、豆腐ハンバーグ、味噌汁。入ったことないが刑務所の囚人のようにゆっくり、味わって摂取。
20時頃下剤の服用が始まる。右の薬を200ccのお水に溶かして、ゴクゴクと。当然、飲酒は禁止。(3日前から禁酒が原則らしいけど、”便秘しません”ということで、前日のみの禁酒を勝ち取っていた) 夜間、二度ほどトイレ(大)へ。空腹と、お酒への渇望と不安で眠れぬ夜を過ごし、朝を迎えてからが本番。
1800ccの水に溶かした下剤。これを8:00から飲み始める。以前より ましな味らしいが、ポカリスエットを4本飲むようなものでかなりキツイ。 一時間ほどで効果を表し、頻繁にトイレへ。
下段、真ん中の⑤の色になるまで何度も何度も。シャワートイレでなかったらどうなってしまうのか恐ろしい。
13:00 ほぼ出し切って、病院へ出発。(検査後は運転禁止なので、電車で行ったが、トイレがヒヤヒヤで)
13:30 病院着。過日の打ち合わせ通り白衣の天使が優しく手ほどきしてくれるが、処置室に入るや否や着替えさせられ点滴が始まる。
ここに寝かされ、
こんな風景を眺めながら、医師が入って来て、そのまま弛緩剤(麻酔のようなもの)が投与され、眠りに落ちる。
「眠ったままできますよ」ということだったので、少しだけ苦痛の恐怖はなかったが、「これから始めます」も「トイレはどうですか」もなく、いきなり敵の手に落ちた。
胃カメラは無事無痛で終わった(過去二度は弛緩剤でなかったので、苦しさの記憶がある)が、普段のアルコール過剰摂取が祟ったか、大腸カメラの終盤で目覚めてしまった。横向きの不様な格好で管が、体の”出口”から体内に入っているという感覚と、痛みに耐えながら白衣の天使に励まされ、何とか終了。
内視鏡の機器。
術後、すぐ起きだして写メなど撮っているものだから、驚かれたけど、仮眠もしないまま医師の説明へ。今、思うとやはり弛緩剤は効いていたのだろう、お酒に酔ったまま何かを聞いたような記憶しかない。
結果はこうだ。胃カメラからは異常なし。萎縮性胃炎はあるにはあるが。
大腸カメラはポリープを発見し、2コを切除。(これは手術にあたるらしい)2mm と8mm。生体検査で病理に送られての結果待ちだが、”問題ないでしょう”という医師の言葉をぼーっとした頭で聞いていた。
それにしても胃カメラも、大腸カメラも、弛緩剤を使って(眠らせて)行う医師が増えてきているようだけど、まだまだそれなしで昔ながらの方法で行うところも多いらしい。やるなら絶対、弛緩剤使用の病院がお勧め。
因みに、超小型カメラが内臓されたカプセルを飲み込んで、写真を電波で送る方法も開発されているが、これは健康保険が原則使えない(特定の条件以外)ばかりでなく、はっきりしない場合や、ポリープや生体検切除の必要がある場合は結局、大腸カメラをやるみたいで、まだまだ現実的ではないようだ。
蛇足ながらポリープ切除後は、10日程度アルコールは禁止と術後に(初めて)聞いたが、検査が終われば”飲める”と信じて疑わなかった能天気の私は、この晩、大腸カメラ体験を肴に、友と二時間ほど飲んでしまった。
翌日の今日、体調が優れないのはそのせいか。少ーしだけ自重するか。