鬼怒川の堤防が決壊して大水害に見舞われた常総市。
今日で丁度三か月になる。避難所は閉鎖され、旅館住まい等を強いられる一部の市民を除き、自宅での生活に戻ったようだけど、映像で見る限りフツーの生活には程遠い。そんな中、水害対応した常総市の職員の残業代が問題?になっている。100万円を超える給与となった職員も十数名いるらしい。
頑張った職員の財布を覗くようでいささか趣味の悪いテーマだけど、色んな見方があり興味深い。
懸命に働いたんだろう。市役所に就職以来、こんなに頑張ったことはなかったんだろうと思う。
自分の時間はもちろん、家族も犠牲にして家にも帰れず、被災者のために渾身の活動をされた職員方は賞賛されこそすれ、残業代を加算して100万円を超える給与を得たことを非難されるいわれはない、・・・と思う。
地方公務員だから労働基準法も適用され(国家公務員は適用除外らしい)、提供した役務の対価は時間外手当として請求し、受け取る権利は当然ある。
しかし、それでもという意見は多数を占める。ボランティアで対応に当たられた方々は無給、手弁当なのにというのが多くの一般人の感覚のようだ。ある市議が問うたのもこの辺で、まさか返せとは言えないから、こういった被災対応に関しての時間外手当に関するルールを作ろうというもの。
かの東日本大震災の時にも似たような論議があったらしいが、本件についての是非については、それぞれの感性に委ねるにしても、ちょっとだけ不思議で指摘したいのが最大としている方の、342時間という残業時間。9/10に発生しているので残り20日間での出来事かと思うが、時間外手当の計算期間が仮に30日間まるまるあったとしても、試算するとこうなる。
通常勤務日数が20日休日が10日として、通常勤務日は17時から深夜1時まで(休憩1時間は必要)、翌日も早出で朝7時から9時までという残業を毎日すると計180時間。休日は朝9時から通しで深夜1時まで(休憩1時間は必要)、という残業をこれも全日行うと計150時間。
単純な当て嵌めだけど、これだけ働いて合計330時間。(避難所や市役所での仮眠時間はまさか勤務とはしないだろうから)
時を同じくして和解が報道された、ワタミの過労自殺(和解金:1億3000万円)で取り上げられた残業時間は140時間。
ワタミは今後常総市の職員をヘッドハンティングするに違いない。”サービス残業”という公務員には考えも及ばない制度を知らせずに。