マニラ(正式な首都名は、メトロ・マニラ)に行ってきました。ちなみにマニラとは、17の行政地域(市や町)の集合体を意味するらしい。
悪名高いドゥテルテ大統領が粛清を重ね、麻薬犯が激減している反面、公務員による悪事や相変わらずのスリやぼったくりで、日本人からは警戒されて、観光都市としては何とも不人気なマニラ。最近では安倍首相もフィリピンを訪れ、1月13日に5年間で1兆円の経済協力を表明したばかり。
特に目的もなかったけれど、ペニンシュラホテルに泊まれるお得なツアーに魅せられて、年末年始働いたご褒美に危険都市へチャレンジ。外務省がウェブ上で公開している海外渡航情報でも、危険の黄色一色だし、数々の体験ブログも、こんなことあんなこと危ないよのオンパレード。
飛行機と高級ホテル大好きの同行する家人も、流石にやめようかと弱気になる始末。
日本にいたって何があるか分からない時代、シリアとかに行くんなら別だけど、普通に危険なマニラごときで、折角とった休暇とキャンセル料など失ってなるものかと、1/19(木)午前便で成田から離日。
これまた評判悪いフィリピン航空。何でも東南アジアの先駆的航空会社ゆえに、古ーい機体での運行と乗務員のバッドサービスは有名らしいが・・・?機体は新しい清潔なエアバスだったが座席にモニターがない。しかし、これは今日のCNNニュースにもあった「機内のモニターは「時代遅れ」、アメリカン航空が新機体で廃止」という流れかも。また、CAのサービスもごくごく普通レベル。
5時間余りも過ごすのにWi-Hiは使えるとか何とか言ってるけど、地上で事前のセッティングが必要とかでできない。慣れている人は、iPadやスマホで早速画面を楽しんでいた。
これはビジネスクラス。フルフラットになるけど、隣席と足の部分は高低差をつけてクロスする。窓側、トイレ行きにくいな。
座席は事前情報からちょっとアップグレードして、プレミアムエコノミーをおさえたのでこれは当たり。1万円プラスで往復ともビジネスクラスのすぐ後ろ、ガラガラだから三席をひろびろ二人で占有。
プレミアムエコノミー。足はゆっくり伸ばせる。搭乗順もビジネスに近い扱い。コスパは頗るいい。
それにしてもガラガラ(このあと搭乗してきた)、エコノミーも含めて搭乗率30%もないくらい。まあ、時期もあるし平日だし・・・
観光客はわずかで、帰省するフィリピーナが目立つ。きっと日本のパブでオジサンたちを喜ばして、6ヶ月に一度ビザのために帰るよう。荷物は半端じゃないけど、礼儀正しくおとなしくいい子風多し。
さて機内食。皆さんのブログでは甘いまずいが多かったけど、極めて普通。
ただ、ちょっと笑わせてくれたのが食後のコーヒー、というかコーヒーカップ。
下に敷いたナプキンが濡れるなと思いきや、
紙コップの底から漏水。さすがメイドインフィリピン。
まぁ、それでも無事にニイノ・アキノ国際空港へ”ドスン”とランディングしてフィリピンへ入国。
実はこの場面が一番恐れ、緊張していた。少しおさまったとはいえ、空港職員による銃弾所持事件。手荷物チェックの直前にカバンや洋服のポケットに銃弾を忍び込まされ、発見した職員が(もちろんグル)不問にして欲しければ金を出せ、というもの。日本円にして1万円程度らしいが(セコイ)、応じないと数日間の拘留にいたることもあるという、恐ろしい公務員による犯罪。これだけには注意して向かったのだが、そんな気配もやれそうな雰囲気もないくらい空いていて、まずは何事もなく入国。
そして第二関門、ホテルへのタクシー。流しのタクシーはメーターも倒さないわ、強盗にも狙われるわとの情報を信じお奨めの空港からのクーポンタクシー。ちょっと高いけど安心らしい。
カウンターで手続きすると、行き先のマカティ市までの正規料金表を見せられ、1,850ペソを支払って乗車。マカティ市は高層ビルが立ち並び、商業の中心地でもあり、フィリピンで最も裕福な人々が住んでいるエリアでも知られている。
約10Kmの道のりを30分かけて約4,000円。あとでホテルフロントマンに聞くと、クーポンタクシーとしてはリーズナブルだとか・・・。
ホテルに着くとエントランス周りに黒い犬が。麻薬探知犬らしい。
毎回のホテルの出入りも、金属探知機とガードマンのチェックを受ける。だからか安心。危険はシステムが排除。
チェックインしてから昼も夜も、スラム街は除いて様々徘徊したけど、どこにも言われているような危険はない。物売りの子供が来ない分、ほかの東南アジアの都市より気安いかも知れない。ただ、ショッピングセンターや博物館などの主要な建物には、出入り口に必ず金属探知機と警備員のチェック。
これに慣れさえすれば、ウワサとは違って穏やかな街マニラ。カバンを持っていると中を見せなくてはならないが、絶対ちゃんとは見ていない。このチェック体制を見ての反応から危険なヤツをとがめるんだろう。
現地の人と乗った電車もそれなりに混雑してたけど、スリの気配もなかったし。
家人は男性に席を譲ってもらったり。
このジプニーというフィリピン独自の乗合バスには乗れなかったけど、夜も普通に移動できて快適。大丈夫、マニラ。
ちょっとだけホテルの自慢。右上バルコニーでは生演奏も。
ルームからの眺め。左側ビルはフィリピン・ナショナル・バンク(元政府系)。
プールサイドでは、有名なペニンシュラホテルの「ハロハロ」を賞味。
ホテルのプールでイスラムの女性の泳ぎ?沐浴?を盗撮。初めて見た。
全身黒ずくめでそのまま水に入り、楽しそうに遊んでいた。
優秀な麻薬探知犬(センサー君、分かりやすい名前)も旧宗主国の旅人には従順にお腹を見せて服従のポーズ。
サンチャゴ要塞というマニラでは数少ない観光地に、ホテルで呼んでもらった(流しでない)タクシーで行ったんだけど、そう、距離にして10Km、普通なら30分くらいで行くところ大渋滞につかまって1時間超。丁度この日この時、アメリカでトランプ新大統領の就任式が行われており、渋滞の原因は途中のアメリカ大使館前でのデモ行進。
フィリピン警察の機動隊らしきが警戒にあたる。歴史的な出来事に遭遇できたと言えばそうだけど、このタクシー料金、距離は少し遠く時間は倍くらいかかったのに、クーポンタクシー(1,850ペソ)よりグンと安く、何と240ペソ。チップ込で300ペソ(700円)としたけどこの差は何だ。
普通のタクシー、特に流しのタクシーはボラれるとか危険とかの情報を流して、バカ高いホテル関係のタクシーに誘導するほうが余程たちが悪いのでは。車の乗り心地は変わらないから、ボラれても(せいぜい2~3倍なら)普通のタクシーの方がいい。
この国にありがちな公務員や普通の企業が組織的に行うボッタクリなんだ。
因みに帰路ホテルから空港までも、普通のタクシーで270ペソ(600円)。マニラは安全な街だけど、危険なのはそれを理由に高いものを押し付ける、この国のシステム。たまたまかも知れないけど、マニラ観光、安全宣言です。
ショッピングセンターのレストランに棲みついてるコーギー君。やたら人懐こい。安全のマニラ。公用語はフィリピノ(タガログ)語とはいえ、街なかの一般人も当たり前のように英語を話せる。それにしても日本人には会わなかった。まぁ、日本人観光客が行きそうもないところを地元民のように動いていたせいもあるけど、気持ちいいくらい外国でした。
そしてマニラの人たちは、そりゃ少しくらいおかしなヤツはいるんだろうけど、皆、おとなしくマナーも悪くない。
「不可逆的な解決」を反故にしようなどと考えている、かの国民よりずっと・・・。
マニラよいとこ一度はおいで。危険ではありません。