秋の好天に誘われ、車で一時間ほどの下妻市をツレと訪ねた。二十年ほど前に家族連れで遊んだ「砂沼サンビーチ」を会場とする何とかフェスティバルを、一応の目的にして行ったのだが、途中立ち寄った「下妻図書館」の近代的、充実度に驚き、「市立ふるさと博物館」の立派さ(入場料@200円)と資料室まで開放するその性善説的なおおらかさにまた驚かされた。昭和後期まで旧拘置所で実際に使われていたという、女囚の独房が目玉。木組みの牢屋の内部に爪で彫ったような恨み言、後悔の文字もまた感じるものがある。最後に行った「ビアスパークしもつま」で五分咲きの桜に出会い、帰宅して他所でも咲いていたことも知った次第。コブクザクラとかで、こういう咲き方を「不時」というらしい。
それにしても図書館といい、博物館といい、ビアスパークといい、左程のパワーのある市でもないのにこういうところに金をかける下妻市、恐るべし。俵百表に通じるところがあるのかな。
ちょっとだけ関連して、ビジネスマンの心の持ち方というか、ポジティブでありたいがための小話をひとつ。
『アフリカの奥地の大集落に靴を売り込みに行ったA社の営業マンとB社の営業マンの話。小型機を乗り継いで、車に長時間揺られてたどり着いたその大集落の人たちは皆裸足で、歩き、走り、それでも普通に生活していた。これを見たA社の営業マン、東京本社へ国際電話「だめです。靴はおろかサンダルすら必要とされていません」B社の営業マン、東京本社へ興奮して国際電話「大変です。莫大なマーケットを発見しました」』
かつて暑くて仕方のないイスラム圏に、それを履けばもっと暑くなるストッキングを売り込み、大成功した話を聞いたことがある。女性の美への憧れは、苦痛を超える・・・。