吾妻渓谷 絶景を今のうちに

群馬県吾妻群吾妻川上流をせき止めて建設中の八ッ場ダムにより、一時はその多くの部分が水没すると言われた吾妻渓谷。住民らの反対運動によってその位置を更に600M上流にすることで、渓谷、峡谷の名所が存命することになっています。

関東屈指の紅葉の名所とのことですが、違う季節も絶景と聞き、八ッ場ダムへの人出の影響や水量の変化が少ない今のうちにということで、お盆休みの渋滞を覚悟して行ってみました。

JR「渋川」駅から攻めました。

大好きな渓谷鑑賞なので、お盆の渋滞も耐え忍んで愛車で向かおうと思ったものの、宿も取れないし、帰りも飲めないと、考え直して、上越新幹線と在来線を乗り継いで吾妻渓谷の玄関口「渋川」駅まで行って、レンタカーで攻めるルートをとりました。

日本のへそだそうです。(他所にもあったような)

渋川駅前でアクアを借りて、JR吾妻線沿いに走る国道353号線で渓谷を目指します。国道353号線は途中から145号線となる片側1車線の走りやすい道で、ドイツのそれを模した日本ロマンチック街道の一部です。

「岩島」駅で急激にカーブして、谷を跨ぐJR吾妻線の鉄橋。

これ八ッ場ダム建設によって水没する吾妻線の引替えの新設路線のよう。新しくて異様に立派。

吾妻渓谷入口の道の駅あがつま峡に立ち寄ります。

源泉かけ流しの天狗の湯。400円。

足湯は無料です。

この道の駅からだと目指す渓谷はやや距離があるので、もう少し車を走らせて十二沢パーキングというところに車を置きます。

十二沢パーキングは整備中ですが今年の紅葉シーズンには完璧でしょう。ここからだと目指す渓谷、峡谷、橋が徒歩15分圏内です。

十二沢パーキングから渓谷に降りる整備された歩道。

すぐ脇に吾妻川に注ぐ支流からのせせらぎが見えます。

 

せせらぎは清流を溜めて、

一気に吾妻川に注ぎこみます。

この春、三度目の普請で完成した趣のある猿橋を渡って吾妻川の向こう岸に行けます。

通路部分や欄干は木製で異様に立派です。

猿橋から眼下50M位のところの白絹の滝が見えます。ここから一般車両進入禁止の国道を徒歩で名所鹿飛橋を目指します。

国道からがけ地のような道を5分ほど下ると、鹿飛橋がその古めかしい、神々しい姿を現します。

ここからの景色が絶景。やや優しげな下流方向の景色と、

これも下流方向。

巨岩とともに濁流が襲ってきそうな上流方向の景色。

上流方向の先には滝も見えます。

鹿飛橋はちょっと心もとない上、真下は地獄のような峡谷と濁流で、欄干に近づくだけでも怖いくらいです。

その昔、ずっと川面に近いところでしょうが、鹿が飛んで渡っていたのでしょう。八ッ場ダムの設置位置変更がなければ、この橋も水没していたと考えるとゾッとします。(民主党政権時代の無為なダム建設凍結とは関係ない位置変更です)

日本の三大渓谷は、清津渓谷(新潟)、黒部峡谷(富山)、大杉峡谷(三重)と言われているらしいですが、八ッ場ダムの話題とも相まって、外せない渓谷です。真夏でしたがとにかく絶景でした。ただ、やはり紅葉の季節に必ず来るぞと決心して渓谷を後にしました。