平成30年2月14日(水)読売新聞 朝刊一面トップ記事で、延命治療を望まない終末期の高齢者に対する蘇生措置の中止に関して、扱いがありました。蘇生措置を中止した事例が過去三年間で54件あったとのこと。
事例としては多くはない数字ですが、人生100年時代を迎え、かたや尊厳ある生き方が問われる中、この消極的安楽死にスポットが当たること自体に大きな意味があると思ってます。
蘇生を中止した54件すべてが、かかりつけの医師の指示に基づいており、未だわが国では本人や家族の意思だけでは蘇生中止にいたらないという、現実は厳然とありますが、積極的安楽死は許されないまでも、救急蘇生措置の中止による望まない延命治療を受けないで済む道も開き始めています。
救急側の立場、意見としては、「119番で出動している以上は、(家族の意思に反しても)家族を説得しても病院に搬送すべきだ」という、ちょっとお堅いものや、「民事訴訟のリスクがゼロではない」といった保身的なものもあり、人権はどこにあるのか、と悩んでしまいますが、これも現実です。
厚生労働省が改定し、この4月から医療現場で使われる終末期医療指針はより現実的な方向に向かっているようですが、いつかは終末期の高齢者になる可能性が高い今、その手前でも終末期を迎えるかも知れない私たち誰もが、考えるべき時期に来ているのではないかと思います。
「本人の意思、家族の同意、かかりつけ医の合理的な判断」は最低限必要ですが、タブーとせずに予め話し合っておくことが大事かな、と感じさせられた記事でした。